導入
転職してSESの働き方になり、入社直後から約1ヶ月の待機期間を経験しました。
案件面談は10社受けて、決まったのは10社目です。9社は見送りでした。
「このまま決まらなかったらどうなるんだろう」という気持ちは常に頭の片隅にあり、入社早々不安が多く、正直この先大丈夫かな?と感じたのが本音です。
この記事では、待機期間中に何をしていたのか、面談で何を聞かれたのか、そして10社目でなぜ決まったのかを、実体験としてそのまま書きます。今まさに待機中で不安を感じている方の参考になればと思います。
まず知っておきたい:待機中の給与はどうなるのか
不安の中心にあるのは、やはりお金の話だと思います。ここは法的な整理をしておきます。
労働基準法で最低ラインが定められている
自宅待機が会社都合の休業にあたる場合、労働基準法第26条により、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことが義務づけられています。
一方、待機を勤務扱いとする企業では、給与は100%支給されます。社内待機で研修や社内開発に従事する場合も、労働実態があるため満額支給が原則です。
給与がまったく出ないのは違法
正社員で待機中に無給というのは、労働基準法違反にあたります。「案件に入っていないから給料はゼロ」と言われた場合は、労働基準監督署への相談を検討すべき状況です。
確認しておくべきこと
| 確認項目 | なぜ重要か |
|---|---|
| 就業規則の待機中の規定 | 100%か60%かで生活が変わる |
| 自分の雇用形態 | 無期雇用か、案件ごとの有期雇用か |
| 手当の扱い | 基本給は出ても稼働手当がカットされる場合がある |
特に3つ目は見落としがちです。基本給と稼働手当で構成されている給与体系の場合、待機中は基本給のみとなり、手取りが大きく下がるケースがあります。
私の場合は、待機期間中でも給与は100%支給されると聞いています。
待機期間中、実際に何をしていたか
私の場合は自宅待機でした。会社から教材が配布され、受講完了後は自主学習という形です。日々の報告義務はありませんでした。
つまり、時間の使い方はほぼ自分次第という状態です。
やってよかったこと①:AWSの学習
待機中に最も時間を割いたのがAWSの学習です。
手を動かす学習も大事ですが、私にとって価値が大きかったのは**「システムがどういう構造で動いているのか」という基礎を理解できたこと**でした。
フロントエンド中心にやってきたため、インフラ側の知識が手薄でした。AWSを学ぶことで、自分が書いているコードがどこで動き、どうつながっているのかが見えるようになりました。これは設計を考えるうえでも効いてきます。
やってよかったこと②:面談用のカンペ作成
案件面談は何度受けても緊張します。
そこで、よく聞かれる質問と、自分の回答を事前に書き出したカンペを用意しました。オンライン面談であれば手元に置いておけるので、これだけで緊張がかなり和らぎます。
やってよかったこと③:自分の経験の棚卸し
質問対策として過去の経験を振り返る作業をしたのですが、これが想像以上に有意義でした。
**「今の自分には何ができて、何が足りないのか」**が整理できたからです。面談対策としてだけでなく、今後のキャリアを考えるうえでの材料になりました。
待機中は「サボってもいい」のか
友人からは「待機期間は自由な時間なんだから休んでいればいい」と言われました。
考え方は人それぞれだと思いますが、私は給料をもらっている以上、自分のプラスになる時間の使い方をした方がいいと考えました。資格取得でも学習でも、後から振り返って「あの期間があってよかった」と思える方が気持ちがいいからです。
インプットだけだと本当に知識が身についているのかが測れないので、私は待機期間中、午前中は知識のインプット、午後はそれらをアウトプットする時間に充てていました。
案件面談は10社。9社見送りの理由
ここが最も書きたかった部分です。
手応えは毎回悪くなかった
意外に思われるかもしれませんが、面談自体の手応えは毎回それほど悪くありませんでした。
では、なぜ見送りが続いたのか。理由を整理すると、こうなります。
| 見送りの理由 | 自分で対処できるか |
|---|---|
| 必須スキルを満たしていなかった | △ 長期的には可能 |
| 募集している役割と合わなかった | ✕ 不可能 |
| 選考中に顧客側で案件が失注した | ✕ 不可能 |
つまり、自分の能力不足が直接の原因ではないケースが多かったということです。
これは待機中の方に特に伝えたい点です。見送りが続くと「自分に価値がないのでは」と考えてしまいがちですが、実際には案件とのマッチングや、自分の外側で起きている事情が理由であることが少なくありません。
面談で深掘りされたのは技術力ではなかった
10社受けて気づいたことがあります。
コーディングスキルそのものより、リーダー経験について深く聞かれることが多かったのです。
しかも聞かれ方に特徴がありました。
- 「何を経験したか」ではなく
- 「その過程でどう考え、どう行動し、なぜその選択をしたのか」
つまり、経験の有無ではなく、経験を言語化できるかを見られていた印象です。
「リーダーを経験して苦労したことはありますか?」「その際にあなたはどのような立ち振る舞いをしましたか?」「なぜそのような立ち振る舞いをしたんですか?」
実際にこのような質問をされました。
技術的な知識は入ってから学べますが、思考のプロセスは短期間では身につきません。そこを見ているのだと思います。
日々の業務の中で、常に自分の行動・判断に理由を問うのがとても大切だなと改めて感じました。
もう一つ感じたのは、人柄が想像以上に重視されていることです。常駐して一緒に働くメンバーを選ぶわけですから、当然といえば当然かもしれません。
10社目で決まった理由
最終的に決まった案件について、営業経由で聞いたフィードバックも含めて整理します。
①必須スキルは「完全一致」でなくてもよかった
募集要件にはNuxt.jsが必須スキルとして挙がっていました。私はNuxt.jsの実務経験がありません。
それでも通ったのは、TypeScriptとNext.jsの経験から、キャッチアップ可能だと判断されたからです。
これは重要な学びでした。必須スキルに一つ足りないだけで応募をためらう必要はなく、近い技術の経験があれば評価される余地があるということです。
②人柄を評価してもらえた
営業へのフィードバックとして、**「素直で人柄が良さそうだから来てほしい」**という趣旨の評価をもらったそうです。
技術力だけで決まるものではない、という現実がここにあります。
③自社の実績が信頼につながった
その現場にはすでに自社のエンジニアが参画していました。会社として信頼関係ができていたことが、プラスに働いた面はあると思います。
これは自分の努力でどうこうできる話ではありませんが、案件が決まる要因には、自分以外の要素も含まれるという事実として挙げておきます。
④AI駆動開発への興味関心
参画先はAI駆動開発を取り入れている現場でした。
私は自己学習でAIを使ったWebアプリの開発を試していたため、その経験と興味関心が評価につながったようです。業務外でやっていたことが、思わぬ形で効いた例です。
待機期間について、今思うこと
AWS学習は面談にはつながらなかった
正直に書くと、待機中に取り組んだAWS学習が面談で直接評価されたことはありませんでした。
ただ、無駄だったとはまったく思っていません。前述の通り、システム全体の構造を理解できたことは、今後の開発や設計に確実に活きてきます。
短期的な成果に直結しなくても、やる価値のある学習はあるということだと思います。
待機1ヶ月は長いのか
一般的に、SESの待機期間は2週間〜1ヶ月程度が目安とされることが多いようです。3ヶ月以上に及ぶ場合は、会社の営業力や案件調達に構造的な問題がある可能性が指摘されています。
私の場合は約1ヶ月だったので、極端に長いわけではありませんでした。それでも、待っている側としては十分に不安な期間です。
私は案件先が決まって安心しましたが、「自分以外の要素」で案件先が決まらないことも多々あるので、もしあなたが1ヶ月程度案件先が決まらない状況でも焦る必要はないと思います。
「お給料もらいながら自己学習に充てられる!」ぐらいの気持ちでいるのがよいと思います。
今まさに待機中の方へ
私が1ヶ月の待機を経験して思うのは、次の3点です。
①見送りの理由は、必ずしも自分の能力ではない
案件の役割とのミスマッチ、顧客側の事情など、自分ではどうにもできない要因が多く存在します。落ち続けても、自分を否定する必要はありません。
②面談対策は「経験の言語化」が肝心
技術力そのものより、「なぜその選択をしたのか」を説明できるかが問われます。過去の経験を棚卸しして、言葉にしておくことが準備になります。
③待機中の時間は、自分への投資に使う
給与が支払われている以上、その時間を自分のスキルに変えておく方が、後から振り返ったときに納得できます。
SESという働き方について
待機期間は、SESという働き方の特徴の一つです。この働き方が自分に合っているのかどうかは、待機を経験する前に知っておきたかった部分でもあります。
SESの構造や、向いている人・向いていない人については、別の記事で整理しています。
また、転職先を選ぶ際に年収以外で確認すべきだったことについても書いています。
まとめ
SESの待機期間について、実体験をまとめました。
- 待機期間は約1ヶ月、案件面談は10社で10社目に決定
- 見送り理由の多くは、スキル不足ではなく役割のミスマッチや顧客側の事情
- 面談では技術力より「経験を言語化できるか」と人柄が見られた
- 必須スキルが完全一致していなくても、近い経験があれば評価される
- 待機中の学習は、面談に直結しなくても価値がある
待機中は不安になりますが、決まるときは決まります。その日まで、時間を自分のために使っておくことが、一番の準備になると思います。